コラム「風」平成17年2月
計画性
秋田県美郷町長 松 田 知 己
三本の糸を撚(よ)りながら一本化を目指している美郷町が、いよいよしっかりとした撚り方で、より強い糸になるための取り組みを本格化させる時期となりました。旧三町村の脈々たる糸をもって、美郷という新たな糸を紡いでいくため、行政と住民との相互理解を目的の核心に据えて、本号から「風」と題した本欄で、町政運営等に係る私の考え方などを皆さんにお伝えしたいと思います。舌足らずもあるでしょうが、私の想いが皆さんの心に届くことを期待しております。
さて、この度は初回ということで町づくりの根幹、計画策定について述べます。あらゆる取り組みには計画性が必要です。そして課題が山積していればいるほど計画性の意義は高まります。それが将来に向けての道筋になり、取り組みに秩序や効率性を付与するからです。だから美郷には早期に「計画」が必要です。
現在、その策定に向けた取り組みに着手したところです。策定は本年度前半になる見通しですが、町づくりの方針となる「基本構想」、平成26年度までの「基本計画」、平成20年度までの「実施計画」をまとめる予定です。既にある「新町建設計画」を基本にしながら、財政環境の変化を俯瞰(ふかん)して事業の実施年次を設定するなど、より実効性のある計画に仕上げてまいりたいと考えております。その素案は町職員が取りまとめ、美郷町総合計画審議会で審議していただくこととなりますが、皆さんの声も何らかの方法でいただきたいと考えております。
また、実施計画については、進捗状況を毎年度把握しながらその推進に当たりたいほか、大きな状況変化があった場合は計画の見直しも行いたい考えです。柔軟性を大切にした、いわゆる「生きた」計画にしていきたいと思います。
昔、よく凧(たこ)揚げをしました。強風で糸を切らしては鼻水と涙を流しておりました。美郷は絶対に切れない、しっかりとした糸にしていかなければなりません。
(広報「美郷」平成17年2月号より)