コラム「風」平成17年8月

子供たちの夏、合併の夏 

 秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 日差しも気温もやや控えめだった梅雨が過ぎ、夏真っ盛りとなりました。体の内に外に冷たい「水」が欲しいところです。

 さて、子供たちは待ち焦がれた夏休みに入りました。自分を振り返ると、ある時はプールの河童(かっぱ)になり、ある時はカブトムシ探検家になり、日ごろできなかったことを存分に遊んだ記憶がよみがえってきます。特に友達とにぎやかに遊んだ思い出は鮮明なような気がします。

 現在は少子化が進み、隣近所にもなかなか遊び相手がいない残念な状況ですが、夏休みなど長期の休みにはどんどん遊んでもらいたいところです。そのことがきっと大人に成長する過程において深い意義を持ち、さらに大人になってからは、親の立場として子供の気持ちを理解できる一つの基準になるものと思います。

 そこで町では、子供たちの夏休みの思い出づくり、居場所づくりとして、そして子供版の合併記念行事の一つとして、この夏「こどもワクワクサマースクール」を開催することにしました。7月25日から8月5日までの間、歴史、芸術文化、スポーツなどの分野で、町内の方々からご協力をいただき実施しております。地域間交流といった側面、場合によっては夏休みの宿題対応にもなるかも知れません。この記事が出るころには中盤になっている訳ですが、どんどん参加していただき、町内の子供たちが地域や学年を超えて、交流してもらいたいと思います。

 一期一会(いちごいちえ)という言葉があります。茶会の心得だそうですが、二度と巡ってこない平成17年のこの夏、子供たちには何か一生の記憶に残る思い出をつくってもらいたい。その思い出が「合併の夏」であったことも記憶してもらいたい。そんな一期一会に、このサマースクールが機会となるなら、どうか活用してもらいたいと願っているところです。

 よし、この原稿を書き上げたら、私は冷た〜い泡の出るおいしい水を飲もう!一期一会のつもりで・・・

(広報「美郷」平成17年8月号より)

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