コラム「風」平成17年9月
交流の意義
秋田県美郷町長 松 田 知 己
暑湿の8月を経て、豊穣を期する9月になりました。理屈ではないこの豊作願望、改めて農耕民族としての遺伝子存在を思います。
さて先月、六郷地区が交流を重ねてきた台湾瑞穂郷を訪問してまいりました。合併協議での交流継続の方針を踏まえ、昨年度、美郷町として友好提携協定を結びましたが、17年度はこちらが訪問する番で、関係団体とともに2日間瑞穂郷に滞在し、今後の交流を協議してきました。
まずは皆さんに交流を認識してもらうために、お互いのイベントで情報発信をすることとし、美郷町ではことし10月末に開催予定の「美郷フェスタ」で瑞穂郷を紹介することで合意、各種資料等を委ねられてきました。また、具体の交流分野も話し合い、意義ある訪問となりました。
私にとっては初めての台湾訪問で興味津々でしたが、やはり異国でした(当たり前か)。気候や植生、歴史・文化の違いを肌で感じてきました。この違いにこそ国際交流の意義があり、改めて日本を、そして美郷を考えた次第です。
町としては、こうした他地域との交流は今後も大切にし、「美郷町総合計画」に位置付けて一層の推進をしていきたいと考えております。現在のところ、各地区で積み重ねてきた地域交流は台湾との国際交流のほかに、国内の交流として関東圏に五つの繋(つな)がりがあります。できる限り交流を深め、さらには交流の幅も広げてまいりたいと思います。もちろん身の丈に合った範囲の中で進めてまいりますが、こうした交流は、美郷の地域づくりに様々な刺激を与えてくれるものと期待しております。
余談ですが、日本に帰る飛行便の関係で最終日、台北市に1泊しました。夜、ご飯を食べに出かけ、ホテルに帰るために地下鉄に乗りましたが、切符は日本と違い、リサイクル可能なカード式。合理的だなあ〜と感心しました。またつり革の高さは低く女性向き。共働きが多い台湾のこと、女性に優しいお国柄かなあとも思った次第です。
(広報「美郷」平成17年9月号より)