コラム「風」平成19年11月

残してくれたもの

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 心地よい達成感と虚脱感。その余韻がまだ残っていますが皆さんはいかがでしょうか。

 本当に多くの方々に支えていただき、半世紀に一回のお祭り、国体が終了しました。各種組織で構成した実行委員会の皆さん。競技関係者の皆さん。行政区単位に設置していただいた国体協力会の皆さん。競技運営や環境美化などのボランティアの皆さん。商工会女性部はじめ各団体の皆さん。応援に駆けつけてくれた皆さん。学校給食停止のためにご協力いただいた保護者の皆さん。そしてそれぞれの役割を仕事として果たしていただいた皆さん。本当にありがとうございました。細かい部分での不手際は確かにありますが、大きな括りでは大成功と総括して間違いありません。心から皆さんに感謝を申し上げます。

 美郷町が誕生して満三年。このタイミングでの国体は、私たちに多くのものを残してくれました。何より一つの目的に地域を越えて協力し合っていく町民の意志。それを皆さんで確認できました。またその意志の結集で国体を成功に導きました。かなりの大事業も私たちは達成できる力を持っていることを皆さんで確認しました。そしてその過程を経て、確実に私たちの心が「美郷」色に染まってきたほか、地域の一体化も一層深まりました。さらに全国各地の一流選手に「美郷の心と味」を伝えることで、今後の発展に向けた「芽」を確実に育てました。わか杉国体が残したものは大きい、私はそう総括しております。

 さて、そうした感慨にいつまでも浸っていたい感じもありますが、時間は留まってくれません。また次の目的に向かわなければなりません。そうです。今月は美郷フェスタです。3回目となる今年は仙南地区で開催です。これで各地区を一巡します。どうか皆さんのご来場をお待ちしております。「ひさしぶり」。「元気だったが」。「この前、おもしれがったなあ」。「また、なにかやりでなあ」。きっとこうした会話に包まれます。そしてこうした前向きな姿勢こそがこれからの美郷の力です。国体での熱戦は前を向く姿勢もきっと伝えてくれた、私はそう信じております。

(広報「美郷」平成19年11月号より)

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