コラム「風」平成20年12月

就任のごあいさつ

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 世界で初めて人工雪をつくった北大の中谷宇吉郎博士。雪を「天からの手紙」と表現していたとのことです。現実は厳しい北国の冬、こうした比喩で少しは厳しさが和らぐように思いますが、皆さんはいかが感じるでしょうか。

 さてこの度、無投票という形でご信任をいただき、町長という重責を再び担わせていただくことになりました。刻々と変化する行政環境に全身全霊をもって対処し、町づくりに向けて職責を果たすようがんばります。引き続きのご指導ご鞭撻お願い申し上げます。

 その美郷町、誕生から4年が経過しました。これまで私は「融和と前進」というキーワードのもと、融和を大切にした町政運営に心掛け、制度調整など合併に伴う課題解決に努めながら、緩やかな変化の中で皆さんが「美郷町」に馴染むように配慮してきました。すべては慣らし期間をうまく乗り越え、長く愛される美郷町になってもらいたいためです。一方で前進の部分では、各地域が背負ってきた継続事業を仕上げながら、次のステップで発展の芽が出るように、交流や水環境などの分野で種蒔きもしてきました。

 こうした経過を踏まえた今後の取り組みは、いよいよ町づくりの核心への精力傾注です。そのポイントは大きく二つです。一つは融和を大切にするために積み残してきた課題解決への取り組みです。具体的には、学校を含む公共施設の再編統合などです。もう一つは、美郷意識を踏まえた町勢発展への取り組みです。具体的には町内外の交流促進と水資源を活用した町の顔づくりなどです。内をきちんと固めて安定感を得ながら、外に向かって存在感を発揮できる町にしてまいりたいと考えております。人と同様、町には町のカラーがあります。美郷がすてきなカラーを身に付けられるようがんばってまいります。

 いずれにいたしましても、これからの 4 年間は変化の 4 年間となります。美郷の第2ステージです。将来に安定感と存在感を発揮できる美郷町になるため、皆様には各般にわたりご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げ、就任の挨拶といたします。 

(広報「美郷」平成20年12月号より)

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