コラム「風」平成21年3月
この機会
秋田県美郷町長 松 田 知 己
二月中旬から冬将軍の抵抗がありましたが、総じて暖冬だった今冬。経済がこれ以上ない厳しさですので、「せめて天気だけは緩く」という天の配慮なのかも知れません。
さて、その時々、「印象的な言葉」あるいは「時代を認識する言葉」というものがありますが、今の状況は「予想外」という言葉がそれに当るのではないかと思います。この冬の状況も予想外でしたが、私たちの生活を取り巻く環境もまさに予想外。例えば、現在の経済不況。こんなに早く地方に劇的な影響が及ぶとは思っていませんでした。また、国民生活を支える国会の機能不全。国民不在の議論をこんなに延々とするとは思っていませんでした。さらには政府のリーダーシップ。こんなにぶれるとは思っていませんでした。
こうした予想外の展開には必ず原因がある訳ですが、国会の場合、その一つがご存知の定額給付金。景気回復の糸口になる良策なのか、はたまた天下の愚策なのか評価が分かれるところですが、町の立場では立法府である国会が決めた以上、その給付作業を粛々と進めなければなりません。国の関係法案の成立と町議会での議決後、迅速に対処する予定です。ではその給付金、町内に一体いくら給付されるのか。予想では総額三億五千七百万円ほどになります。一人当りの額は大きくありませんが、総額はとても大きくなります。
そして、ここから先は予想内の話となりますが、皆さん、どうかこのお金、町内で使って下さい。町がかねてより推進している「地販地消」の一環として、町内消費に心掛けて下さい。いろんな消費の仕方があると思いますが、例えば、この機会に地デジ対応のテレビ購入の足しにするとか、気持ちも軽やかに洋服を購入するとか、はたまた家族で美味しい食事に使うとか・・・。ちなみに「美郷まんま」や「美郷たぬ中」を何回も、という手もあります。せっかくのこの機会、どうか地域のためにご貢献をお願いいたします。
先日の町外の友人との会話。私「美郷まんまと美郷たぬ中って、うめよ〜」。友人「ほ〜、へば一回食いに行ぐ」。町長としては町外の給付金も引っ張るようがんばってますよ〜。
(広報「美郷」平成21年3月号より)