コラム「風」平成21年9月

情報は正確に

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 このお盆、卒業28年目にして初めて高校の同期会がありました。「ちょっと、あの人誰?」と言う会話とともに楽しい時間を過ごしてきましたが、中には「おいおい」と言いたくなる会話もありました。「松田、よく元気になったな。再起を危ぶむ重病と聞いたぞ」。「誰だ、そんなこと言ったの。俺はけがだぞ〜」。真実を伝えて笑いあってきましたが、しかし口伝えの不正確な情報とは怖いものです。簡単に重病にされてしまいます。

 さて先日、県主催の「秋田を変える!行政のあり方フォーラム」という催しに参加してきました。美郷町長として行政改革への考え方や取り組みなどを話してきましたが、ほかの参加者や会場からも考え方や行政への要望など伺ってきました。なるほどと頷ける大半のご意見の中、これはもっと財政や行政のことを正確に伝えなければならないと感じる場面もあり、幅広く正確に行政情報を発信する大切さも実感してきたところです。

 その際、併せて頭に浮かんだのが、町の公共施設と学校施設の再編についてでした。これまで広報やパンフレット、あるいは説明会を通じて、施設再編の必要性や留意点、再編後の姿などについてきちんとお伝えしてきたつもりですが、口伝え情報が途中で変化していったのでしょう、一部の方々に正確に届いていない旨のお話を先般耳にしていたからです。この問題に関しては、不正確な情報に基づく理解は、残念ながら理不尽な地域感情を喚起します。そしてそのことが、各方面での地域融和への努力に水を差す可能性もあります。従って、正確な情報でご理解をいただかなければならない問題です。今後もできる限り広報等でお伝えしながら、機会をとらえ私からも直接皆さんに説明してまいりたいと思います。まずは今月敬老会があります。その席上、敬老の気持ちとともに施設再編後の行政サービスの姿などについてできる限り正確にお伝えしたいと思います。

 同期会での会話の続き。「白髪あるな」。「お前だって」。「年とったよなあ」。胸にぶら下げた高校時代の顔写真と見比べての会話。これ以上ない正確な情報のもと、お互いの成長(?)を正確に理解した次第です。

(広報「美郷」平成21年9月号より)

このページに関する情報