積み重ねの意識~合併5周年を迎えて~
広報「美郷」合併5周年記念号より
積み重ねの意識
〜合併5周年を迎えて〜
秋田県美郷町長 松 田 知 己
期待と不安、双方を抱えて歩みはじめた美郷町。あっと言う間に合併5周年を迎えました。これまでの歩みには、それぞれいろんな評価と感慨はあるでしょうが、全体を俯瞰(ふかん)すると総じて順調な歩みだったと私は総括しております。これはひとえに、「いい町にしたい」というみなさんの共通の想いと、それに伴う「互譲と展望」の意識を持ってのご理解とご協力のおかげです。敬意を表しながら、心から深く感謝を申し上げます。
さて、この度の合併5周年は、美郷町にとって大きな節目の一つであり、一度しかない節目です。ですから、より深い意義を持ちたいと私は思います。そのため、改めてこの機会にみなさんで、美郷町の未来に向けた意識を共有したいと思います。
「歴史に学ぶ」。この言葉は、あらゆる分野に通ずる金言(きんげん)です。そこで、合併という事象を歴史に学んでみます。見渡せる中で学べるのは、その足跡と結果を把握できる昭和の合併です。では、その昭和の合併は成功だったのか、失敗だったのか。愛郷心や生活の利便性の状況などを踏まえると、確実に成功だったと私は考えております。そうです、昭和の合併に失敗はありません。では、その核心に何が存在していたのでしょうか。私は「積み重ねの意識」だったと考えています。不安と不満を乗り越える建設的な議論の積み重ね、将来の姿を見据えた地道な実践の積み重ね。そのことが、町村に対する愛郷心をしっかりと醸成し、各分野で生活の利便性を実現し、地域に発展をもたらしたと考えています。
昭和にできて、平成にできないことはありません。確かに、前向きな気持ちを折らずに議論を積み重ねること、一途に実践を積み重ねることは容易なことではありません。しかし、私たちの責任である「合併の成功」を未来に届けるためには、欠くことのできないことです。今後も、互譲と展望の意識とともに、積み重ねの意識を持ち続け、みなさんで誇れる美郷を着実に創りあげていきましょう。「そうです、私たちにはできます」。