コラム「風」平成23年6月

料理の真髄

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 「目に青葉 山に山菜 海に鱚(きす)」。こんな時期になりました。かつて山菜探り(採りとは言えないレベル)や海釣りに出かけていた私には、もどかしい時期でもあります。

 行けないもどかしさを紛らわせるには、いち早く食べることに尽きるわけですが、なかなか自分で買いに行けないのも現実。そこで登場するのが家族となるわけですが、先日、家人が道の駅から初物のアイコを買ってきました。また、自分の家の林からも初物のミズを採ってきました。

 そこで、「さてどうやって食べましょうか」となるわけですが、アイコはおひたしと味噌漬けに、ミズは浅漬けとたたき、油炒めで食べました。「いや〜やっぱりうまい。満足満足」でしたが、山菜を美味しく食べるのに「いろんな調理法があるもんだな」と改めて思った次第です。

 私は包丁を握りませんので想像の世界ですが、食材の料理法はきっと料理人のアイデア次第で限りなくあります。だから料理はおもしろいと思うのですが、共通しているのはいかに食材を活かし、いかに美味しく食べさせるかの工夫だろうと思います。それを料理の真髄とするならば、そのことはきっと、さまざまな事柄に当てはまります。

 町では先月、秋田大学との連携協定を結びました。そのテーマは美郷の「水」です。これまで町としていくつかの取り組みを重ねてきましたが、改めて大学の専門性を注入してもらい、いかに「水」を町づくりに活かしていくか検討していきたいと考えております。言わば「水」の料理法の開発です。具体的には、教育文化学部とは主に芸術文化的なこと、工学資源学部とは主に科学的なこと、医学部とは主に健康づくり的なことを深めていきたい意向ですが、みなさんもアイデアをください。美郷の「水」について、冒険的な捉え方や取り組みも考えてみたいと思います。

 そんな「水」の全国サミット、7月1日に町公民館で開催します。他の市町村ではどう料理(活用)しているか興味ありませんか?皆さんのご参加、お待ちしております。

(広報「美郷」平成23年6月号より)

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