コラム「風」平成25年1月
新年のごあいさつ 『ゆっくり急ぐ』観点で
秋田県美郷町長 松 田 知 己
明けましておめでとうございます。記録的な豪雪や爆弾低気圧、そして秋口の高温など異常気象だった印象が強い一方、皇太子殿下のご来町やロンドンオリンピックでの感動など、振り返るといろいろな出来事があった昨年。改めて激動だった一年を振り返り、「今年こそ穏やかながらも活気溢れる年にしたい」と決意も新たに新春をお迎えのことと存じます。
さて、美郷町にとっての昨年は確かな歩みの一年でした。施策の柱にしている「まちづくり戦略プロジェクト」に基づき、全園・全校で安全安心のメールシステムを稼働させたほか、県内各大学との連携事業も本格的に着手し、さらに課題だった温泉の経営統合も果たしました。そして最も象徴的なことは、美郷中学校の開校です。これで3地区の生徒が一堂に会する体制になりました。また、開校直後の体育大会では目覚しい活躍を遂げ、「美郷中学校ここに在り」と存在感を示すこともできました。こうした過程の中で生徒は鍛えられ、自分の立ち位置を自分で見つけ、困難を切り開いていく逞しい大人に成長していくだろうと思っております。また何より、同じ釜の飯を食うことで生まれる連帯感や町民意識は、必ずや今後の町づくりの原動力になります。着実な歩みを重ねたい美郷町の未来そのものだろうと思います。
こうした流れで迎える平成25年も、将来に大きな意味を持つ年となります。まずは、学校再編計画に基づき進めてまいりました千畑地区及び仙南地区の小学校統合を終了いたします。その結果、美郷町では認定こども園から小・中に至る教育体制の整備が完結いたします。まずは地区単位の認定こども園で集団性を培い、小学校ではそのままの集団で学習習慣を育み、そして中学校では母集団が大きくなることで切磋琢磨の環境を強化し、心身を鍛える。こうした推移で経験を積むことは、必ずや高校生や社会人になった際の順応力や対応力でプラスにつながると私は信じております。もちろん、引き続き「まちづくり戦略プロジェクト」は計画的に推進していきます。また、学校統合で空いた校舎の活用にも鋭意取り組みます。そのほか、産業振興として農商工連携による地産外商の推進、他地域や団体との交流による地域活力の創出などにも取り組んでまいりたい考えです。
先の「就任あいさつ」で触れております「第一ステージ」のゴールが見えてくる平成25年。改めて、冷静な思慮と迅速な行動を意識する「ゆっくり急ぐ」観点で、今年もがんばってまいりますので、引き続きのご理解とご協力をお願いいたします。
(広報「美郷」平成25年1月号より)