コラム「風」平成25年4月
新たな羽ばたき
秋田県美郷町長 松 田 知 己
さあ、新年度がスタートです。特に進学や就職で新生活をスタートさせる方には、まさに期待の春。きっとたくさんの新たな出会いがあります。そしてその出会い、どうか一つひとつを大切にしてもらいたいと思います。その出会い、もしかすると縁(ゆかり)となる大切な出会いになるかも知れません。
なぜそんなことを申すかというと、この春、美郷町が一つの出会いを縁にした具体の形を皆さんに提示できるからです。それが日本航空株式会社との連携です。4月4日、町はJALと協定を結びます。この小さな自治体が、日本を代表する航空会社と協定を結ぶなんて、びっくりでないですか?
実は昨年、本町出身の方がJAL秋田支店長に就任しました。なんと後松教育長の教え子とのこと。そこで私もお会いさせていただきました。そしてその出会いが協定に繋がりました。かねてより民間企業との連携を考えていた私は、厚顔(こうがん)にも「町づくりに力添えいただけないか」とお願いしました。支店長は無茶とも思えるそのお願いを受け止め、本社と協議してくれました。熱意をもって支店長が調整してくれたお陰でこの度の協定が相整(あいととの)いました。
美郷町はこれまで、交流人口の拡大に取り組んできました。はじめは東京都大田区などとの自治体交流、次に秋田大学などとの教育・研究機関交流、そして民間企業との交流。それは定住人口が減少する中、交流人口を増加させることで町内外での人・物の動きを活発化させ、町勢の向上に繋げたい。そして多様な交流の中に、次なる新たな展開の可能性を生み出したいためです。結果的にそれは、町民の美郷町への誇りに繋がり、そして町外での美郷町の認知度の向上にも繋がると私は信じています。
この度の交流では、第一弾として既に10組の親子がJALから招待され、普段は見られない整備場などを見学しました。今後は子供を対象にした出前講座の開催や植樹などへのJAL社員のボランティア参加など、協定に基づき広く活動展開していただく予定です。学校再編をほぼ終えた美郷町、この4月、新たに羽ばたく方々とともに、JALの翼で羽ばたきたいと思います。
(広報「美郷」平成25年4月号より)