コラム「風」平成26年3月
魅力探しの意味
秋田県美郷町長 松 田 知 己
「兎追ひし彼(か)の山 小鮒釣りし彼の川」。知らない人はいないであろう唱歌「ふるさと」です。望郷の想いがストレートに伝わりますが、きっとこの歌に何かを感じる方は、故郷(ふるさと)への想い、共通です。そして、そういう気持ちを持てる故郷であってほしい希望も、きっと共通です。この3月に美郷を旅立つみなさん、故郷への想いを大切に新たな地でどうかがんばって下さい。私たちも、みなさんが誇れる美郷であり続けるためにがんばります。
その美郷町、今年11月に満10年を迎えます。「早いなあ」というのが私の率直な感想ですが、課題を一つひとつ乗り越えながら、みなさんに信頼され、心寄せられる美郷町になるよう、そして「うちの町はねえ」と語れば、「あ〜あの町ね」と答えてもらえる美郷町をめざし、がんばってきた10年でした。そのがんばりが今年一つの節目を迎えます。
そしてその節目、ただ切りのいい通過点かというとそうではありません。確かな役割があります。竹を例に取りますが、竹は節が無ければ必ず途中で折れます。つまり、竹の節は竹自体を強くする役割を持っている訳です。こうした節目が持つ役割、事柄によって違いはあるものの共通性があるのではないかと思います。それは、その先の成長に「強さ」を持つという役割です。もちろん、この度の美郷町の節目もそうあらねばなりません。
そうした節目にするためにも、私たちは今一度、美郷の良さを再認識しながら、新たな良さを発見していくことが大切です。それが次の行動における踏み台になり、かつ成長に向けた強さにつながるからです。現在、町が展開している美郷の魅力ある風景を探す写真コンテストも、そういう気持ちで作品を募集しているところです(詳しくは今月号の広報をご覧ください)。
「ふるさと美郷」に改めて意識を高めてもらい、「どうだ、いいだろう」という風景写真、どんどん応募してもらいたいと思います。それが、美郷町民の、美郷町民による、美郷町民のための強さにつながると私は信じています。
(広報「美郷」平成26年3月号より)