コラム「風」平成27年4月
交流の促進
秋田県美郷町長 松 田 知 己
暦 上 「啓蟄 」は3月6日ですが、語意(冬 ごもりの虫が這い出ること)からすると、肌感覚では今の時期が本当の啓蟄です。春の日差しで土の温度が上がり、虫のみならず土の芳 しい香りも フワフワ漂ってくるところです。
こうした土の香りを嗅ぎますと、私は何となくウズウズした気持ちになり、外で何かをしたくなりますが、みなさんはいかがでしょうか。「眠っている農耕民族の遺伝子、刺激されているなあ」なんて、勝手に思っています。
当然ですが、そうした外での活動、否応なしに他者との関わりも生じてきます。外に出れば、同じ気分で動いている人がほかにもいるからです。その意味において、春は交流開始!の季節なのだろうと思うところです。
さて、そうした季節の4月1日、美郷町では交流の拠点施設「ワクアス」がオープンです。県の未来づくりプロジェクトの一環として、小学校の空き校舎の一部を利用して整備した施設ですが、今後、いろいろな交流がここを基点に展開することを心から願っています。町でも、その目的での新規事業として、美郷大使等との交流を図る「美郷カレッジ」を実施いたします。今後、町の広報で開催時期をお知らせしますので、どうかご参加ください。
こうした交流は、それに伴う知的刺激や経済的刺激による地域活性化だけが目的ではありません。自らの地域を客観的に見つめる「きっかけ」にする意図もあります。交流を通じ、比較の過程で見えてくる自らの姿は、きっと地域の再評価と改めての誇りに繋がるものと私は信じております。
また、その交流意義を最大限に高める仕掛けも必要で、最も効果が高いと思うのが「飲みニケーション」。幸い美郷には、ここにしかない美郷雪華酵母のお酒があります。今年は町内三蔵元すべてで醸造とのことで、町内飲食店やワクアスでの交流の際、話題として活用してもらいたいと思います。きっと記憶に残ります。一銘柄は先行販売しているようですが、三蔵元揃い踏み販売はラベンダーまつりの頃とのこと。楽しみに待ちたいと思います。
もちろん、青少年はノンアルコール。そりゃ、ニテコサイダーです。青少年には日本酒は「ダメよ~、ダメダメ~」(古いか?)ですので。
(広報「美郷」平成27年4月号より)