コラム「風」平成27年9月
努力と稔り
秋田県美郷町長 松 田 知 己
いや~暑い8月でした。春夏秋冬それぞれ季節感があり、「夏は暑くて当たり前」という感覚は染み付いているものの、今年は当たり前を超えて、「かつて無い」という言葉がしっくりくる8月だったように思いますが、みなさんはいかがだったでしょうか。
一方、こうした動きも「かつて無い」動きだったように思います。一つは、六郷地区の商店街で以前開催されていた行事「夜市」を、町内の若者パワーで復活させた取り組み。関係者との意志疎通や各種調整での得難い経験や、内部での激論などのご苦労を伺いましたが、多くの方々からご理解とご協力を得て、見事にやり遂げました。「素晴らしい」の一言です。地域の活性化を目的としたこの動き、未来につながる取り組みと高く評価されると思います。
そしてもう一つが、シニアだって負けていない気概を見せてくれた「シニア手づくり音楽祭」。愛知県在住の県出身者のお声掛けに呼応し、町内の音楽愛好者が地域の活性化を目的に主催したコンサート。手づくりと言うだけに、随分とご難儀なさったと思いますが、これまた「いいね!」の一言。高齢化社会が進展する中、「まだまだがんばれるよ」というメッセージです。素晴らしい取り組みです。
こうした新たな動きに込めた想いは、いろいろな住民団体・組織が、かねてより主体的に取り組んできた諸々の活動と一緒。一言で言って「美郷を良くしたい」です。自治体にとってこれ以上に大切なものはありません。今後も多くの団体・組織が共通目的のためにがんばり、みなさんでこの美郷を良い町にしていきたいものです。
他方、行政組織もがんばらなければなりません。多様なネットワークを結び美郷を盛り上げたい、そんな想いで訪問したタイ王国。タイのバドミントン協会との基本合意書の調印を経て、今後もタイの選手が来町することになりました。バドミントンでの交流を通じたスポーツ振興はもちろんのこと、タイの方々との国際交流にもつなげ、町づくりへの刺激やカンフル剤にしたいと思います。
収穫の秋。稔りの過程にはさまざまな努力が存在しています。
(広報「美郷」平成27年9月号より)