コラム「風」平成28年7月
感動のゆくところ
秋田県美郷町長 松 田 知 己
書家であり詩人の相田みつをさんの作品には、何回見ても「そうだよなあ」と納得させる力があります。これはファンにとって共通認識だろうと思いますが、しかし、その「そうだよなあ」の納得度合は、その都度微妙な違いがあるようにも思います。見ている心がいつも同じ状態ではないからです。ほんと、芸術って面白いです。
最近、手元にある相田みつを作品集で「そうだよなあ」と思っているのが、「感動とは感じて動くこと」という書。感じて動いたおかげで「良かった」と思うことがあったからですが、以前見た際に感じた「そうだよなあ」よりも、かなり心の芯に届いております。それだけ、仕事上でしたが、意味の大きいことがあったからです。
今月、学友館において「金澤翔子 書展」を開催いたします。金澤さんは東京都大田区在住で、京都の建仁寺やニューヨークの国連本部ビルで個展が開かれるなど著名な書家です。初めて作品を鑑賞したのは大田区役所の区長室前でしたが、背筋に電気が走りました。まさに感動です。そしてその後、大田区長と長野県東御市長との食事の際、東御市で大田区の力添えのもと、金澤翔子展が開催されることを知りました。その席上、私は即座に動きました。区長に美郷町でも開催できるようお力添えいただきたいとお願いしました。そのことが、幸いなことにこの度の個展開催に繋がりました。お骨折り頂いた大田区長並びに関係皆様、そして情報等をいただいた東御市長並びに関係皆様、本当にありがとうございました。これこそ、交流・連携、そして協定締結が生む新たな可能性であり、その具体例です。
みなさん、是非「金澤翔子 書展」に足をお運びください。感じ方は人によっていろいろでしょうが、必ずや何かを感じていただけます。保証します。そして何でもいいです、動いてください。その動きの積み重ねが、そしてその集合が、きっと美郷町を良い方向に成長させます。それが主催者としての願いであり、心からの期待です。
(広報「美郷」平成28年7月号より)