コラム「風」平成28年12月
就任のあいさつ
秋田県美郷町長 松 田 知 己
この度、みなさまより負託をいただき、町長職の責任を引き続き背負わせていただくことになりました。「初心忘るべからず」を基本認識としながら、今後も職務に精進してまいります。みなさまには、引き続きのご指導とご協力を心からお願い申し上げます。
さて、人は成長に合わせて服のサイズが変わり、嗜好が変わり、それに伴いものの見方や感じ方も変わっていきます。私は地域の成長も同様であると思っております。成長の証しは変化であり、裏返して成長には変化が必要であるとの認識です。その観点で町の来し方を俯瞰すると、美郷は確かに変化、そして成長してきております。
みなさまにはその変化を受け止め、ともに成長を支えてきてくださったことに改めて感謝を申し上げます。おかげさまで美郷町の成長は、比較的順調な経過だったと認識しております。一定程度、身の丈に応じた公共施設と学校施設の規模に落ち着くとともに、水やラベンダーなどを活用した取り組み、そして民間企業との連携など、徐々に「美郷らしさ」が生まれてきているものと思います。
その取り組みを支える財政も、町づくりに必要な取り組みには対応しながら、合併当初より確実に健全化しております。その主な要因は、施設再編による維持管理費の縮減や町の借金減に伴う返済額の減少、職員減による人件費の縮小などです。なお、それに伴い捻出できた財源は、「美郷らしさ」を創造する施策や、社会環境の変化に応じた新たな施策、例えば高齢化に伴う乗り合いタクシーや少子化に伴う子育て支援の充実にも振り向けてきたところです。
そして美郷町は、次なる成長を期していかなければなりません。そのためにも、人口減少など変化を冷静に見通し、着実な対応をしていくことが必要です。具体的には、まずは将来の公共施設等のあり方を新たに模索していかなければなりません。また、心豊かな生活を支える所得向上のため、産業振興を推進していかなければなりません。そして、生活の安心感につながる福祉・教育環境の充実、防災対策などの充実も果たさなければなりません。さらに、愛郷心を育む「美郷らしさ」を深めることも必要です。そのため、今後も多様な交流から多様な可能性を生み出しながら、引き続き水やラベンダーなどの特色を、積極的に伸ばしていかなければなりません。
今後も美郷町は変化を厭(いと)わず、成長を期してまいりたいと思います。そしてみなさまから「美郷はいい町だよ」と、自然に言葉が出る美しいふる郷をめざしてまいりたいと思います。引き続き美郷づくりへのご参画をお願い申し上げ、就任のあいさつといたします。
(広報「美郷」平成28年12月号より)