コラム「風」平成30年5月

歩こう!

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 先々月、「歳を重ねるということはこういうことなんだな」と、しみじみ考える機会がありました。私より年配の県庁同期の退職祝いで集まった際の話です。「あちこちガタがきて、腕が上がらない、腰が痛い、いろいろ出てくるよな、この歳になると」、「まったくその通りだな、俺も肩が痛いし」などなど。加齢の実態を慰め合うという、少し前では考えられない会話がそこにありました。

 結果は「致し方ない、それが自然だもの」となる訳ですが、体が利く状態をできる限り維持したいと思うのは、みなさん一緒だろうと思います。しかもできればあまり努力しないで。しかしまあ、世の中そう都合良く行かないこともきっと共通理解で、だからこそ健康と心身の機能維持には、やはり一定の自己努力が必要、という当たり前の結論にみなさんが帰着するのだろうと思います。

 さて、その健康と心身の機能維持についてですが、美郷町では平成26年度より健康寿命の延伸を目的に、セルフケア(健康の自己管理)の推進に取り組んでおります。健康寿命とは心身ともに健康で自立して生活できる期間のことで、それが長いほど望ましいわけですが、その延伸のために、健康診断の受診や食生活改善の推進に加え、町独自の取り組みとして中強度運動計を活用した「ぐっと楽運動教室」や「減(へ)る脂(し)い健康教室」、町保健センターへの健康チェックコーナーの設置など、広く展開してきているところです。

 この度、そうした展開をさらに推進していくため、各地区にウォーキングコースを整備、利用してもらうことにしました。コースの出発地点には歩行距離や概ねの時間、その際の消費カロリーを表示し、運動量を把握しやすいようにしております。とりわけ六郷地区は清水周遊を意識したコース設定としており、町外にもPRして来町者増加にも繋げていきたいと考えております。一石二鳥です。

 映画「となりのトトロ」に「♪あるこ~あるこ~私は元気♪」という歌があります。やはり歩くことは元気(健康)のバロメーター。みなさん、歩くことに意識を持ちましょう。そして汗を流したら水分補給。泡っこでなくてニテコサイダー。これも一石二鳥です。

(広報「美郷」平成30年5月号より)

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