コラム「風」令和元年5月

前を向く

秋田県美郷町 松 田 知 己 

 除雪を考えるほどの降雪があったり、温度差がとても大きい日があったり、起伏のある4月でした。気象は平年並みという穏やかさがほしいところですが、反面、こうした起伏は記憶に残るもので、変化を迎える4月として、その意味では良かったのかも知れません。

 さて、4月末日をもって「平成」の時代が終わります。改めて振り返ると、経済環境や社会環境、また自治体環境においても、やはり起伏のあった時代でした。その意味では記憶に残る時代という総括がふさわしいように思います。みなさんはいかがでしょうか。そして幕を開ける「令和」の時代。どういう時代になるのか、どういう変化をしていくのか、とても楽しみでもあり、大きな期待もあるところです。

 私はこうした変化に期待する、あるいは楽しむ姿勢は、すべての分野で大切ではないかと思います。それは諸行無常が世の真理である以上、変化を避けては通られないからです。とするならば、社会や経済など数多の変化を正面から受け止め、それに対する対応も付随変化として理解し、ひっくるめて楽しむ、あるいは期待するという、前向きな姿勢で臨むべきではないかと思います。

 そして現在、美郷町でもいくつかの動きがあります。まずは地方交付税減少を受けた「財政健全化方針」。今年度が最終対応となり、補助金や施設利用料などを調整します。つぎに人口減少等を踏まえた「公共施設等最適化実施計画」。公共施設の適切な保有を具体化します。また既存第三セクター統合による「あきた美郷づくり株式会社」の発足。既存組織の持つ課題を解決しながら観光・物販・情報発信の展開を強化します。すべて望ましい姿に向けての動きです。

 こうした展開、はじめから後ろ向きの姿勢でとらえれば、不確かな不安が増幅されますので、どういう向きでとらえてほしいのかは申すまでもありません。みなさんには正しい情報のもと、こうした展開を前向きの姿勢でとらえていただきたいと思います。 

「令和」の時代。前を向く姿勢を大切にしていきたいものです。

(広報美郷 令和元年5月号より)

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