コラム「風」令和元年11月

帰属意識

秋田県美郷町 松 田 知 己 

 ラグビーW杯、みなさんもテレビ等を通じて試合をご覧なったものと思います。私もテレビで観戦しましたが、日本チームの試合はすべて観ました。おもしろかったです。その中で、予選プールのアイルランド、スコットランドとの試合には感動しました。特に決勝トーナメントに進めるかどうかのスコットランドとの試合は、後半の攻防にハラハラドキドキし、とても熱くなりました。

 他方、先月はW杯バレーボールも、ほぼ同時期に試合が繰り広げられました。ご家庭によってはラグビーかバレーボールか、チャンネル争いという家族内ゲームもあったかも知れません。こちらも日本チームは好ゲームを展開し、観ていて熱くなりました。特に女子バレーには、秋田県出身のセッター佐藤選手が出ていましたので、自然に応援に力が入ったのは私だけではなかったと思います。

 このように観戦で心が熱くなるのは、一つは勝たせたいという勝負に関する気持ち、つまり本能的な生き残り意識が働くからだろうと思います。もう一つは日本だからというアイデンティティに関する気持ち、つまり帰属意識が働くからだろうと思います。事実、日本チーム以外の対戦では、どちらか勝たせたいという思いはあったものの、日本チームに対するそれとは明確に違っておりました。

 この帰属意識、言い換えれば「心の拠り所」を日本に感じる意識だろうと思います。さらに申せば、拠り所の意識があるからこそ自己の意識、つまり心がしっかりするということなのだろうとも思います。そう考えると県民、町民でもある私たちは、県や町にも拠り所意識をきちんと持つことが大切で、それによって心はさらにしっかりし、結果、自己肯定感も高まるものと思うところです。

 その意味で今月は町民には大切な月です。節目として美郷町の来し方を振り返りながら、改めて町に対する帰属意識を確かめてもらいたいと思います。そして、今後も地域づくりにスクラムを組みたい意欲が湧き起こることを、心より期待したいと思います。

(広報美郷 令和元年11月号より)

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