コラム「風」令和2年4月

三方良し

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 新年度が始まる4月。例年であれば季節感もあいまって、晴れ晴れとした気分で迎える月ですが、今年はとてもそうした気分になれません。新型コロナウイルスという見えない敵に、日常生活や余暇行動が翻弄(ほんろう)されているからです。早く日常に戻りたいところですが、敵はまだ蠢(うごめ)いています。引き続きみなさんで注意の上に注意を重ねるしかありません。そのため公共施設の利用にも、注意点を少し重ねますので、どうかご理解とご協力をお願いいたします。

 さて4月は人の移動も多い月。美郷を離れる方もいれば、美郷に入る方もいて、双方向で動きがあります。ともにまずは住居の確保となるわけですが、かつて美郷に入った人からこんな話を伺ったことがあります。「美郷はいいけど、住居の選択が難しくてね」と。

 ここで言う住居とはアパートのことでしたが、確かに人事交流しているJAL社員の住居探しも、実は難儀しました。アパートが空いていなくて、です。町内にアパートは一定数あるわけですが、需要と供給のバランスが取れていないということだろうと思います。

 一方で町営住宅は空いています。と言うことは、住居ニーズが民間賃貸住宅に向いているということだろうと思います。町営住宅が新しくないという点もあると思いますが・・・。そして空き家も微減傾向ながらまだ多い状況。一定程度は借り手が見つかっているようですが、大半はそのままです。使い勝手と築年数という現実の問題が、利用者ニーズに結び付かないということかもしれません。

 こうした現状を踏まえ、町では今年度、新規施策を展開します。移住・定住人口の増加を促進しつつ、空き地空き家問題も解消していくため、町内事業者が戸建て住宅や賃貸住宅を一定条件の空き地空き家敷地に新築する際、支援策を講じます。事業者のみなさんは投資のご検討と空き地空き家所有者へのアプローチを、所有者のみなさんも事業者へのアプローチのご検討をお願いしたいと思います。

 近江商人は売り手、買い手、世間の三方良しとのことですが、美郷町は定住促進、空き地等解消、経済振興の三方良しをめざします。

(広報美郷 令和2年4月号より)

このページに関する情報