コラム「風」令和2年5月

負けない

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 5月に入り、農作業も本格化してまいりました。人の営みと自然界は命を育む方向に動いております。誰しもが望む方向だろうと思います。一方、これと反対方向に動いている者がいます。新型コロナウイルスです。人類が未知のこのウイルス、タレントの志村けんさんをはじめ多くの方の大切な命を、世界規模で奪っています。

 この憎きウイルスを封じ込めるためには、申すまでもなくかなりの努力が必要です。個人ができる努力は、小まめな手指消毒の実施、咳エチケットとしてマスク着用、密閉・密集・密接の3密回避、不要不急の外出(人混みへの接近)抑制、体調不良の際の適切な対処ではないかと思います。こうした努力、自分のためであり人のためでもあります。改めてみなさんの努力の継続をお願いいたします。

 また組織・集団ができる努力としては、会合などの延期や中止、集合時の3密回避の実施、長時間会議の抑制などです。リーダーにおいては、適切な判断と対応をどうかお願いいたします。

 そして町ができる努力は、しつこいくらいの注意喚起とともに、町主催行事の延期や中止(人混みを作らない)、公共施設の利用制限(感染を予防する)などです。国の緊急事態宣言を受け、施設については当面5月6日まで利用制限を行います。何かとご不便やご不満があるかと思いますが、「町民の命を守る」という判断を優先する対応に、引き続きのご理解とご協力をお願いいたします。

 そしてこの厄介者は、人のみならず経済も蝕(むしば)んでいます。そのため町では、事業者が事業継続できるよう、事業資金への利子補給制度の拡充や県制度に協調した新たな利子補給制度の創設など、支援策を強化したところです。今後も状況推移を注視しながら、更なる対応策を検討していくつもりですので、事業者のみなさんにはウイルスに負けない意志で、がんばっていただきたいと思います。

 “負けないでもう少し 最後まで走り抜けて”。ZARD(ザード)の名曲「負けないで」の一節です。曲のテーマと分野は違いますが、ウイルスの克服をゴールとし、みなさんで最後まで走り抜けましょう。

(広報美郷 令和2年5月号より)

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