コラム「風」令和2年8月
繰り返しの効果
秋田県美郷町長 松 田 知 己
新型コロナウイルスの影響で、学生時代によく聴いていたJ・S・バッハ(通称大バッハ)の作品を、最近、再び聴くようになりました(それだけ夜の時間があるということです)。膨大な作品を残した大バッハの一部しか私は知りませんが、数百年経過してもなお聴く者を感動させる楽曲の凄さ、改めて実感中です。
最近のお気に入りは「イタリア協奏曲」(イタリアと言っても新型コロナウイルスは関係ありません笑)。主題と思(おぼ)しき旋律が格好良く、それが繰り返されることで印象が強く残る楽曲です。繰り返して何回も聴きますと、当時のイタリアの光と影をふんわり想像し、いくらか理解した気分になって、さらに楽曲が好きになるという案配です。繰り返すことの効果だろうと思います。
さて、町では6月、「地域応援商品券・食事券」をみなさんに配布しました。施策の目的は新型コロナウイルスの影響で停滞した町内消費の回復、つまりは経済活性化と事業者の経営支援を図るとともに、休業等による所得影響を鑑(かんが)みて生活支援を図るというものです。
この度、その施策効果をさらに高めるため、第2弾を配布することにしました。お盆前の8月上中旬を目途(もくと)に配布する予定です。施策の企画に当たっては、経済活性化策としてプレミアム付商品券の発行も考えましたが、生活にお困りになっている方々の購入見通しなどを検討した結果、前回と同じスタイルの方が遍(あまね)く町民の支援に繋がり、受益の公平性や施策目的の複層化の観点で良いと判断、取り組みを繰り返すことを決めた次第です。みなさんにはこうした検討経緯と判断を受け止めてもらい、施策目的が叶うよう、第2弾の商品券・食事券も効果的にご利用いただきたいと思います。
「イタリア協奏曲」がお気に入りになったことで、いつの日かイタリアに行ってみたい気分ですが、みなさんには商品券・食事券のご利用を通じ、「また利用したい」お気に入りの事業者が増えますことを期待いたします。また、事業者においては利用者のお気に入りとなりますよう、サービス面のご配慮を期待いたします。
(広報美郷 令和2年8月号より)