コラム「風」令和3年10月

感じ、考え、行動する

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 ♪巡る季節の中で♪、今年も秋が到来しました。新型コロナに振り回され、行楽やスポーツの秋と言っても気持ちが乗りにくい感じがしますが、せめて食欲と読書の秋は満喫したいところです。

 その読書ですが、どう向き合うのかは、日頃の読書習慣が影響するように思います。「よく読む人はより多く、そうでない人はそれなりに」と、どこかで聞いたようなフレーズの向き合い方になるような気がしますが、会合などが少ない今だからこそ、チャンスです。ぜひ秋の夜長、多くの本に接していただきたいと思います。

 私は本が好きですので、より多くの本を読もうと思いますが、その本好きは「親父の背中」の影響です。とにかく本が好きな父でした。さらにその父、つまり祖父も本が好きで、小学生の頃に何回も読んだ「三国志」は、祖父が購入した吉川英治全集のものでした。ちなみに小学生時代に読んだ本で一番影響受けたのは、下村湖人の「次郎物語」です。「無計画の計画」という章がありますが、これは大学生時代の旅行にも影響を与え、良きにつけ悪しきにつけ、多様な経験に繋がる起点の一つになっています。

 ところでこの「無計画の計画」という言葉、単語を変えると多様な分野で示唆に富む言葉に変化します。例えば「無意識の意識」や「無反応の反応」。分野によって示唆の方向に正負の違いが生じますが、いずれ考えるきっかけになります。具体的に日常生活での自然環境への負荷、ネットの匿名情報への対応などで考えてみれば、その示唆の意味合いが理解しやすいように思うところです。

 こうした意識を包含し、今月末から「美術/中間子 小池一子の仕事とMUJI IS-動詞の森-展」を学友館で開催します。日本を代表するクリエイティブディレクター小池一子さんが「無印の印」に注入した意識、そしてモノを生み出していく方向などを広くご覧いただき、感じ、考えるきっかけにしていただきたいと思います。 こうした意識を包含し、今月末から「美術/中間子 小池一子の仕事とMUJI IS-動詞の森-展」を学友館で開催します。日本を代表するクリエイティブディレクター小池一子さんが「無印の印」に注入した意識、そしてモノを生み出していく方向などを広くご覧いただき、感じ、考えるきっかけにしていただきたいと思います。

 さらに、感じ、考えた先には何らかの行動が待っています。企画展を通じ、まちづくりへの具体行動に繋がることも期待しています。

(広報美郷 令和3年10月号より)

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