コラム「風」令和4年11月

マリアージュ

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 先日、ある雑誌に日本酒に合う和菓子に関する記事がありました。私の認識では「甘い物と日本酒は合わない」と思っていましたので、意外な記事でした。「和菓子と日本酒のマリアージュ」とのこと。ちなみに「マリアージュ」とは、うまくお互いを引き立て合うことを言うそうです。

 このように、AとBを組み合わせることで良い結果を引き出すことは、多様あります。例えばワイン。十数年前ですが来町された故C.W.ニコルさんから、「赤ワインといぶりガッコ、特にチーズを乗せたガッコとの組み合わせは最高!」と伺ったことがあります。「ワインにいぶりガッコ、合うの?」と思いましたが、実際に試してみるとこれが本当に合う。赤ワインもチーズ付いぶりガッコもそれぞれ美味しく感じ、まさに「マリアージュ」でした。もっと日常的な部分では、食事場所と食事内容もマリアージュの関係かも知れません。野外とバーベキュー、和風建築と和食、洋風建築と洋食の組み合わせは、お互いを引き立て合うように感じるところです。

 さて、町では現在、学友館において「ふるさと美郷の画家三人展」を開催中です。町を代表する画家三人の作品、多くの方にご覧いただきたいと思います。11月27日までです。また、その期間中の11月7日、会場内で「ギャラリーコンサート」を開催します。感受性を豊かにし、感性を育む機会としての「音楽と美術のマリアージュ」。ホールで聴く音楽、静かな環境で観る美術作品とは違う (おもむき) が必ずそこにあります。音楽と美術がお互いにうまく引き立て合う空間、そして心豊かになる時間を経験いただきたいと思います。ただし定員があります。定員に至った場合はどうかご容赦ください。

 自分が甘い物と日本酒が合わないと決め付けていたのは、実は訳があります。大学生時代、クリスマスイブ翌日の半額セールのケーキをつまみに、友人たちと日本酒をガンガン飲んだことがあります。結果は言うまでもなく、悪酔 (わるよ) いです。そのトラウマが理由です。マリアージュを楽しむには「いい案配」が肝心なようです。笑

(広報美郷 令和4年11月号より)

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