コラム「風」令和4年12月

そのココロは

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 三遊亭円楽師匠がお亡くなりになったことで、10月から11月にかけて、随分テレビの特番がありました。ご覧になった方も多いと思います。嫌味のない毒舌が持ち味で、個人的にはとても好きな落語家でした。ウィットに富み、奥の深い笑いがあったように思います。かえすがえす、惜しい人を亡くしました。

 こうした気持ちになったのは、テレビ番組「笑点」のおかげです。私は小学生の頃からよく「笑点」を見ており、楽太郎さん時代から笑わせてもらっていました。もちろん、今でも「笑点」は時間が合えばよく見ます。「ゴホン!といえば」の企業がスポンサーだから、ということもあるかも知れません(笑)。その「笑点」、毎回いろいろなお題で番組が構成されますが、特に「謎かけ」は面白いです。

 さて先月、町は「美郷町地域振興券」の追加給付を町臨時議会で認めていただきました。町では既にコロナ禍での生活支援策として、住民税非課税世帯に国、県及び町からの給付金をお渡しするとともに、住民税課税世帯には美郷町地域振興券を給付しております。しかし、その後も電気料はじめ各般の値上げが進行するとともに、冬期の燃油等の使用増加も見込まれるため、国からの交付金を財源に、全世帯に対して地域振興券をさらに給付することにしました。現在、来年1月中にお手元に届くよう作業を進めております。今回の全世帯への振興券給付は、基本的に高騰する生活必需品や電気料、燃油等に対する直接的、間接的な生活支援策ですが、付随的にこれまでと同様、消費喚起による町内の商工業振興策でもあります。

 生物の細胞には「核」がありますが、世の中の取り組みにも必ず核があります。それを「ココロ」と言い換えるならば、施策展開にも当然ココロがあります。円楽師匠を追悼する観点で、今回の地域振興券の追加給付を謎かけで問うならば、「美郷町地域振興券の給付と掛けて、難しい数学問題の参考書の準備と解く」。「そのココロは」。「ともに、かてい(家庭、過程)を助ける対応でしょう」。円楽師匠のように切れ味鋭くとはいきません。どうか悪しからず(笑)。

(広報美郷 令和4年12月号より)

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