コラム「風」令和5年6月

ラベンダーとトンネル

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 車を運転していてトンネルに入った際、入るなり出口の光が見えるトンネルと、出口が見えず闇が続くトンネルでは、私は緊張感に違いがあります。みなさんはいかがでしょうか。私にとって緊張感が高いのは、もちろん先の見えない長いトンネルです。もともと閉鎖空間が嫌いなこともあり、それがどれくらい続くのか分からないという不安感は、確実に緊張感を高い方向に煽ります。

 さて、5月8日より新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類が、季節性インフルエンザと同じ「5類」になりました。その結果、さまざまな対応に違いが生じてきていることは、みなさんご存知のところです。美郷町でも、国の対応見直しを踏まえて公共施設における対応、例えば集会施設では座席の間引きを廃止し、役場庁舎等の窓口カウンターではパーティションを撤去し、いわゆる通常化に努めているところです。

 しかしながら、感染法上の分類が変わったとしても、新型コロナウイルス感染症が季節性に変わったわけではありません。また、ウイルスの病原性が無くなったわけでもありません。その意味において、私たちはまだ「先の見えない長いトンネルの中」にいるのだろうと思います。従って、国の対応見直しは踏まえつつ、自分が無理せずできる対応、例えば適度な運動や食事で体調を管理する、体調不良時は出掛けないなど基本的な感染対策に留意することなど、引き続き、適度な緊張感を持っての対応が求められるところです。

 町においてもこうした認識のもと、今年度の各種イベントを開催してまいります。まずは今月のラベンダーまつり。通常の期間と内容で開催いたします。多くのみなさまのご来園をお待ちしております。一方で、感染対策も注意喚起をしてまいります。どうかご自身で対応できる感染対策に、引き続きご協力をお願いいたします。

 そして今年は、園設置者として申し訳ないお知らせです。昨年の長雨等により、園の特色である美郷雪華の一部が枯死しました。結果、観賞面積は減少、美郷雪華の摘み取りは中止にします。すみません。ただ、こちらは「先の見える短いトンネル」・・・のはずです。

(広報美郷 令和5年6月号より)

このページに関する情報