コラム「風」令和6年6月

言葉の力

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秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 メジャーリーガー大谷翔平選手の活躍が止まりません。通訳者の事件もあって、その影響を心配していましたが、それを微塵も感じさせない素晴らしい活躍で、嬉しい限りです。「さすが。メンタルも最強!」と感心しております。

 こうして野球の話をするのは、実は私もかつて野球少年だったからです(信じられないかも知れませんが)。小学生時代に、6年生もいる中で5年生からレギュラーをいただいておりました。ですので、当時はプロ野球のテレビ放送もほぼ観ておりましたし、野球少年として当然のように、王選手と長嶋選手の大ファンでした。

 その長嶋選手、引退時の名言は誰しもが知っているところです。「わが巨人軍は永久に不滅です」。長嶋選手の個性と相まってでしょうが、強烈な印象で記憶に残っています。きっと当時の巨人軍選手は、この言葉を胸に刻んで練習に励み、勝利をめざして戦ったものと思います。言葉が持つ力、言葉が放つ力、言葉が人を動かすことを考えさせる好例ではないかと思います。

 ところで、4月下旬、民間有識者による「人口戦略会議」が、「消滅可能性自治体」なるものを公表しました。県内では1市を除く24市町村が該当で、美郷町もその中に入っています。統計手法を用いて推計した数値には異論は挟みません。しかし、です。「消滅可能性自治体」という言葉はいかがなものでしょうか。言葉は力を持つ認識で考えれば、この言葉はいろんな努力を否定する方向に作用します。言葉の用い方には、もっと注意を払うべきです。

 「言霊信仰」。良い言葉を発するとよいことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるという信仰です。信じるか否かは、その人次第ですが、私は一定程度信じたいと思います。ですので、改善や努力の言葉を含めて、私はできる限り前向きな発言に努めたいと思います。そうすれば、「♪明日はきっといい日になる」と思います。合併20周年の美郷町。みなさんで良い言葉を発するよう、努めたいものです(実は「市町村長うた自慢まち自慢」という番組で私はその曲を歌いました。“YouTube”でご覧ください笑)。

(広報美郷 令和6年6月号より)

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