コラム「風」令和7年8月

大変な夏

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秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 子供たちにとって最高のこの時期。夏休み。どんな過ごし方をしているでしょうか。長い夏休みが無い私からすると、羨ましさとともに、子供たちにはできる限り記憶に残る、「何かがある」夏休みになってもらいたいと願うところです。
 では、「私には記憶に残っている何かがあるのか?」となりますが…あります。確かに記憶に残っている夏休みの出来事や情景、いくつかあります。特に記憶に深いのが高校生の夏休みです。親にお願いの上にお願いを重ねて、一定の期間、首都圏に行かせてもらったことがあります。基本、つくば市の兄の住まいが根城で、そこから常磐線、山手線と乗り継いでさまざまな場所を訪れました。いわば「田舎高校生冒険の夏」を経験させてもらっております。
 冒険内容はさておきますが、今でも肌に残っている記憶が、この時期ならではの「ムッ」とする東京の暑さです。電車から降りた瞬間押し寄せる空気はまさに熱波で、ある種の衝撃でした。当時の美郷は今よりも涼しかったわけで、そうした熱波に衝撃を感じたことも、ある意味で当然だったのかも知れません。
 しかし、現在どうでしょう。あの衝撃的な東京の熱波が、なんとここ美郷でも普通にあるようになってしまいました。まったくもって、どうなっちゃっているのでしょうか。それが稀にある程度であればやり過ごせますが、今年のような気象経過では堪りません。やはり暑さ対策、特に熱中症対策は意識しなければいけません。
 基本的に熱中症対策は、個人に頼るしかありません。ですので、どうか他人事でなく、自分事として意識して生活していただきたいと思います。まず大切なことは、屋内外に関わらず水分補給をすること。そして、気温が特に高い日はできるだけ外出を控え、室温をエアコン等で管理して過ごすことです。
 とは言うものの、「エアコンがなくて室内温度の管理ができない」というご家庭もあります。そこで町では熱中症予防を目的に、対象世帯は限定されますが、エアコン設置に関して支援策を準備いたしました。詳しくは本広報4頁をご覧ください。今年限りの支援策です。対象となるご家庭では是非設置をご検討ください。なお、県の制度もあり、そちらでも別の形の支援があります。
 望まぬ物価の高さと望まぬ気温の高さ。いやはや、大変な夏です。
 
 

(広報美郷 令和7年8月号より)

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